この前、光輝と仲直りした日にあたしは掛けも含め全てのお金を返した。
ヘルスで稼いできたお金は、手持ちもなにもかもほぼ無くなった。何十万ものお金が一日で消えていくことにあまり抵抗は無かった。それだけ、心が麻痺していたから。


２週間後には光輝の誕生日がやってくる。早く稼がなきゃ。あたしは焦りもあったため、ほぼ毎日仕事をいれることにした。
学校との両立はかなりキツいけれど背に腹は変えられない。
なにより、誕生日ｲﾍﾞﾝﾄには渚が来るかもしれない。


――絶対負けたくない


そんなくだらない意地があたしの原動力になっていた。






それから１週間ほどたったある日、あたしは大学の授業を終えて仕事までの時間を学食ですごしていると唯からﾒｰﾙがきた。

『今日授業昼上がりだよね？話したいことがあるんだけど』

『いいよ今どこいる？』

『南校舎出口前のスタバ』

『おっけー今行く』

あたしは唯のもとへと向かった。