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21章:君しか見えない
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21章:君しか見えない
あたしは光輝の誕生日イベントでシャンパンタワーをやって欲しいと頼まれていた。タワーの前金50万はあれから2週間で必死に貯めたお金と、偶然にも親から送られた仕送りや生活費を削るなどして頑張って作った。そしてそのお金を今日光輝に渡すことになっていた。
ついに、明日の夜は光輝のバースデーイベントが開かれる。
夜7時、アルタ前。今日は光輝と会う約束をしていた日。あたしは会ってすぐに前金の50万を渡して、二人で銀行に寄った。
「光輝ーどこいく?」
「今日は俺のお気に入りの個室居酒屋に連れていくよ。予約しておいたんだ。」
「本当に!?やったぁー♪」
あたしは浮かれた気持ちを隠す事無く歩いた。
「光輝はイベントの時何着るのー?」
「和服だよ。理恵前に見たいって言ってたよな?」
「えー!超見たい!ほんと楽しみ!」
「期待してろよな」
「アハハ」
食事をしながらあたしたちは他愛の無い話をしていた。
なにより、光輝がバースデーの前日にわざわざあたしに会ってくれたことがたまらなく幸せだった。
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