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21章:純愛 (1/7)

21章:純愛

「そういう理由で、俺は全面的に邪魔します。
俺がこんな事言える立場じゃ無いのは分かってますけど、佐々木が、莉菜が不幸になってくのを黙って見てるわけにいきませんから!」

一気にまくし立てる剣人を見ながら、羨ましい気持ちになる自分がいた。
こんなに一途に何かに夢中になれるって若いよな、なんて、大して年が違うわけでも無いのにな。

そんな気持ちはおくびにも出さず。

「言いたい事はもう終わったか?
だったら早く消えろ!
お前、どのツラ下げて俺の前に来てんだよ。
それに俺がどんな営業しようが、俺と客の問題だろ。」

俺の正論に歯噛みする剣人。

「気付いてたでしょうけど、俺は昔からずっと莉菜の事が好きです。
龍雅さんの”仕事”に口出しする権利はありませんけど、莉菜を守るのは俺の勝手ですよね。」

「あぁ、分かった分かった。お坊ちゃんの戯言はちゃんと聞いてやったから、とっとと帰れ!
莉菜を止めたきゃ勝手に止めろよ。
俺が営業しようが、客側が来たくなきゃどうしようも無いんだからな。
莉菜が遊びに来るなら接客する、ただそれだけだ。」

イライラする。
剣人はこんなイライラするヤツだったか⁉︎

「……分かりました。失礼します。」

立ち去る剣人を横目に、タバコに火を点けていたら

「龍雅さん

莉菜、客なんですかね……」

そう言い残してドアを閉めやがった。

点けたばかりのタバコを、俺はクシャクシャに揉み潰した。



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さよならは星の数 ©著者:奏

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