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15章:籠の鳥
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15章:籠の鳥
「何不自由無い生活」
本当なら不満なんて感じる方がおかしいのかもしれない。
退屈を感じる事はあっても、両親や家族に守られ、愛され、これといった挫折を感じる事も無く、自分でも恵まれているのは十分分かっている。
オトモダチだって、別にそんな人達がいなくても、パパや祖父におねだりすれば、もっと派手な生活だって可能だ。
派手な生活をしないのは、私が好まないから、それだけだ。
多分、元々何もかも手に入ってしまっているから、あまり物欲が無いのかも。
ブランド物だって、見慣れていれば憧れなど感じない。
ただ、良質な物だから使っている、それだけだ。
鈴木だって、物質的に不自由はしていなかったはずだけど、私との致命的な違いは
”愛情” だったんだろうな
子供を返品するような親に育てられた鈴木と、愛されて育った私とでは、根本的に求めるものが違うだろう。
所詮苦労知らずの私には、鈴木の気持ちなど分かるはずは無い。
そして、龍雅さんの気持ちは、もっと分からないだろう。
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さよならは星の数 ©著者:奏
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