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5章:便女
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5章:便女
尾崎との関係は、彼の教育実習が終わったあとも続いていた。
逢瀬を重ねる毎に私の性癖も確かなものへと変わってきていた。
尾崎の体から排泄されるもの全てが愛おしくて、それを自分の体内に取り込める事に喜びを感じていた。
相変わらずクラスでは浮いた存在ではあったものの、私にとって学校なんてものは単なる暇潰しにしか過ぎなかったので、誰からも話し掛けてもらえないからと言って別に寂しいとは思わなかった。
母にまた新しい男が出来た。
母はその男には私の存在を隠しているようで、毎週土曜日の夜は家を空けるようになっていた。
私は母のいない夜は決まって青い部屋へ行くようにした。
私も母も『女』を優先にして生きていたのだ。
男がいないと生きていけない母の姿を見て育った私が、母と同じ道を辿るのは当然の事で、私は時々尾崎がいなくなる事を想像しては得も言われぬ絶望感に打ちひしがれたりした。
それくらい尾崎の存在は私の一部と言っても過言ではない程に大切なものになっていたのだ。
私はまだ幼くて、男と女に終わりがくるなんて考えた事がなかった。
確かに母は何度も男に捨てられてはいたが、それは母が選ぶ男が悪いのか、もしくは母に男を惹きつける魅力が備わっていないからだと子供ながらに感じていた。
事実、母は大迫に捨てられたが、大迫は私を手放そうとはしなかった。
尾崎を想う一方で、大迫たちの『可愛い玩具』でいる自分を誇らしく思っていた私は、時々あのプレハブ小屋で男たちの性欲処理を手伝っていたのだ。
男の放った白濁色の欲を身体中に浴びる度に、私の顔つきや仕草は『女』へと変化していった。
母は今夜もまた似合いもしない口紅を塗って、機嫌よく出掛けて行った。
帰りは明日の朝だろう。
私は母が出て行ったあと、すぐに服を着替えて青い部屋へと向かった。
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脂女 ©著者:小陰唇ふりる
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