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19章:猟奇的な笑い方
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「旦那の友達にニヤニヤ男がいてさ」
スーザン宅で漫画をパラパラめくっている時だった。
掃除機をかけていたスーザンがスイッチを切り、ニヤニヤ男とやらについて徐ろに語り出した。
「ニヤニヤ男?」
「そう。にこやかとか、朗らかとかじゃなくてニヤニヤ。なんと言うか、不快な、猟奇的な笑い方なんだよ。」
スーザンは私の空いた紅茶茶碗にお茶のお代わりを注いでくれながら、淡々と話し続ける。
スーザン曰く
人の顔を見て笑いを堪えるような、今にも噴き出しそうな顔をしたり、何も笑う場面でないにもかかわらず
ニヤニヤニヤニヤ…キシシシ…ヘラヘラヘラヘラ…ヒッヒッヒッヒッ…
「とにかく不愉快。不気味。感じ悪い。笑いながら殺人を犯しそうな危険人物に見える。」
「ヤバ過ぎる。でも見てみたいかも。写メとかないの?」
「ある訳ないじゃん。なんなら紹介しようか?奴の好きな韓流アイドルとあんた顔似てるし。」
※この時私は独身
「やだよそんな人。怖いよ。」
「この間も家に遊びに来た。旦那が食材の買い出しに行っちゃって2人きりにされたんだよ。気まずかったわ。」
「その間もニヤニヤ?身の危険を感じるね。」
「ニヤニヤだったけど、向こうも気まずそうではあった。ずっと韓流アイドルのDVD観てたし。」
「見た目はどんな感じ?」
「チャラい。中身もチャラい。旦那が入院中お見舞いにきてくれたんだけど、ニヤニヤしながら千疋屋の立派なフルーツの籠持ってきた。チャラくない?後、毛が短くて手足の長いガリガリの犬飼ってる。チャラくない?」
「いや、うーん…。」
スーザンのチャラいの基準がよく分からんが。
そやつが危ない奴ってのは伝わってくるな。スーザンは眉をひそめながら気味悪そうに話しているけども、想像すると笑えてくる。
ニヤニヤ男VS冷めたスーザン
そんな空気に気付かない天然のほほん系の内田さん(スーザンの旦那)。
「フ…フフフ…。」
「本当あんたの男バージョン。」
「フフって…え?え?」
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