締め日営業前、「今日締め日だから、頑張ってみる！後で報告する。」とだけ連絡が来た。自分のアフターが終わった後、心配になり顔を出してみた。

「いらっしゃいませ！姫様のご来店です！」

私が入って満席になった。こんな忙しいのは久しぶりで安心した。シャンパンをコールなして一本飲み私は帰路に着いた。

ほぼ輝斗のお客様だった。そこにエースの姿は無かったが、一人一人に「本当に来てくれて有難ね。」と言って手を握っていた。おまけに私にも教えた基本の3原則をしてくれた。（笑）

この月、NO.1は維持出来た。

「蝶、本当に有難う。蝶のお陰だよ。俺、蝶に育てられてるね。お金を使うだけが育てじゃないって意味分かったよ。」

ニコニコしながら輝斗は言った。単純に輝斗は自分の器量や力を知らなかっただけの話。数ヶ月、彼を見て感じたのは、太さに関係なくお客様の数の多さと図太い精神力、要はお客様をほぼ女とは見てないところが彼の営業力の強さだ。意外に自分の良い部分は分からないものだ。ただ、私はやり方を教えただけ、それを素直に行動した輝斗が素晴らしと思った。