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14章:エースその人
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14章:エースその人
輝斗は語り出した。
「とにかく無茶苦茶な人なんだよ…。俺ビール瓶で殴られたんだよ、信じられる?俺何にもしてないのに詰まらないとか言って殴ってきてさぁ〜。 」
『笑、お前が何か悪い事したんでしょ?』
「してないよー泣。」
『笑、それだけ聞いたら悪い人じゃない。』
「そうだよ、いきなり殴るし、急に泣き出したり、自分以外のお客を呼ぶな帰せって騒ぐし…振り回されっ放しで、挙げ句の果てに同級生と裏引きだよー。俺の立場ないじゃん!全て時間を費やしていたのに、アイツにお金あげてセックスしてたんだよ…俺は一体何してたんだろって思って、頭おかしくなるよ。」
『そうよね、アキの気持ちわかるわ、私も同業者だから…。その人、20代半ば?仕事は風俗さん?』
「うん、そう。」
『体の関係はあるよね?』
以前、あると聞いていたが興味本位で再度聞いてみた。
「ないよー。」
『ここまで話したんだから、嘘はやめなさい。(笑)』
「やってますよー!最初の頃はやればいいと思ってたから。(苦笑)だけど、機嫌悪いと1時間以上ま◯こ舐めさせられて地獄なんだよ。」
『げっ、どっちもどっちなんじゃないの?舐めるのを強要するのもおかしいし、前戯を嫌がるお前もおかしいよ。彼女は、自分のそこを使って稼ぎお前にお金を注いでくれる訳でしょ?だから大切に舐めろよ、私のこのおま◯このお陰でお前がNO.1なんだからな!って意味でしょ?気付かなかったの?』
「ほお〜流石蝶!気付かなかった。」
キラキラ目を光らせ納得顔の輝斗。
『はぁ〜、気付かないで枕してたの〜呆れるなぁ。だから、ヘルプの同級生と寝たんだよ。お前とセックスを重ねるうちに愛情を感じられなくて違う男を求めた訳ではなくて、焼きもちを焼かせたい気持ちと、アキへの当てつけに裏引きしたんだろうね。』
「そうなのかな?」
『アキの愛が欲しかったんだよ。客としてではなく女としてお前に愛され抱かれたかった…体を売る仕事なら尚更、男の性道具ではなく1人の女として抱かれたかった、それをアキに求めた。本当にお前の事が好きだったんじゃない?』
「そうなのかな?」
この時、顔を見て彼女を捨て切れない輝斗が居るように思えた。きっと復縁するだろう、もしくは客以上の関係なのだろうと私は思った。
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