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6章:春の風、幼い桜
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「あ、桜……」
ゆっくりと三十分ほど歩いて、ついたのは小さな公園だった。
簡単な遊具とベンチのある公園の中で、大きな桜が一番の存在感を放つ。
幼い頃に何度か来たその公園で、ユウはベンチに座った。
「ブランコ乗りたい!」
「今度ね、今度」
公園には他に人はいなかったが、眺めていると前の道は意外に人通りが多い。
駄々をこねる子供と母親。
腰の曲がった老人。
ユウと同じ中学生、高校生。
「ん?」
ユウはふと、道の向こうから二人の高校生がユウを見て何かを話していることに気が付いた。
眼鏡をかけた小柄な男の二人組である。
辺りを見回すが、何もない。
少しして高校生のうちの一人がユウを見ながら道にしゃがみこんだ。
「だめだ、無理っぽい……」
「気付かれたかも……」
風に乗って聞こえた二人の会話に、ユウはようやくその意図を理解した。
ユウがベンチに座り投げ出した足の間、短いスカートの奥。
ユウは慌てて足を閉じた。
「……パンツ見ようとしてたんだ」
見ず知らずの高校生たちに下着を見られそうになったことがユウの胸をむず痒くさせた。
スカートを押さえても、少し足を開くとその中は簡単に晒される。
二人の高校生はいつのまにかいなくなっていた。
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くるくる、セックスの音 ©著者:櫻井ハル
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