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1章:冬に見た夏の夢
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「ユウ、起きろ、ほら」
ユウが目を開けたとき、ヒロトはどうしてか呆れ顔で溜め息を吐いた。
「センパイ……?」
「二十分くらい飛んでんだもん、死んだかと思ったよ」
冷たい公園のベンチで、ユウは自分の体に掛けられたヒロトの紺のカーディガンに気が付く。
「掛けてくれたの?ありがとう」
ユウはそれをヒロトに手渡すと、にっこりと笑う。
下半身は露になったままであったが、シャツのボタンもカーディガンも留められている。
「パンツは履かせられなかったからさぁ……初セックスの感想は?」
独り言のように呟くヒロトは、カーディガンに袖を通す。
ユウは少し考えたあと、ヒロトを上目遣いで見ながら答えた。
「あんまり覚えてない……」
ユウがコンドームを使ったセックスをしたのは、この時が最初で、最後だった。
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くるくる、セックスの音 ©著者:櫻井ハル
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