18章:r (10/10)

「ユウト連れて行く」



なんでそうなるんだろう。




あたしはユウトは嫌だ。
他の人なら誰でもいい。
つまんない奴でも、前だったらＮＧ出してた奴でもいい。
でもユウトだけは嫌。



ノゾミの体に無数についた痣とすり傷がフラッシュバックする。
『大丈夫だよ。その後ユウト謝ってくれて、優しかったんだから』

ユウトだけは許さない。許せない。許したくない。




でも何も知らないタクミは無情にもルカに言う。

「ごめん、ルカ。ユウト呼んで来てもらえる？」


タクミはノゾミの頭をゆっくり撫でながら言った。