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111章:転職活動
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111章:転職活動
小宮山社長には帰るまで会わずにすんでホッとした。
帰り道
明日から有給取って転職活動するよ。
そっか。頑張ってね。
ありがとう。
先輩はもう面接を何件か決めてきていた。
さすが先輩。行動が早いわ。
そして次の日には、二次面接までいったとの知らせ。
先輩、凄いな。
二次面接も受かり、明日は最終面接。社長との面接らしい。
謙吾君なら大丈夫。絶対受かるから。
ありがとう。頑張る。
次の日の夕方、先輩と会う約束で待ち合わせ場所で待っていると、表情が曇った先輩が。
謙吾君、どうしたの?
聞きたいことがある。ももちゃんが水商売をやってるなんて、嘘だよね?
えっ。どうして、そう思うの?
面接した会社の社長がなっちゃんによろしくって言ってて、話を聞いたら、この前のレストランで君を見かけて声を掛けたとか。友人と食事だとももちゃんは言ったみたいだけど、彼氏だって社長は直感して、ももちゃんと店に入ってくる僕の顔、見たって言ってた。
そう。小宮山社長ね。それで、面接は?
なっちゃんの彼氏ならって採用されたよ。屈辱だったね。僕の実力じゃない。ももちゃんのコネみたいだから。
水商売やってるって、本当だったんだね。
うん。水商売のこと、黙っててごめんなさい。嫌われたくなかったの。
じゃあ、僕と付き合う時に、辞めればよかったじゃないか。
そうだよね。そして、本当にOLになればよかったんだよね。
ちょっと、今、ももちゃんとこれ以上話せない。このままだとももちゃんを責め続けて、ももちゃんを過剰に傷つけてしまうから。
わかった。暫く距離を置いて考えて下さい。私も今後の仕事のこと、考える。辞める方向で。
そうしよう。ごめん。
落ち着いたら連絡するから。
こっちこそ、ごめんなさい。あの、一つだけ言わせて。謙吾君の採用は、私のコネなんかじゃないよ。小宮山社長は人を見るから。きっと私のこと話して反応を見たんだと思う。動揺したりしたら、多分受かってないよ。謙吾君は冷静に判断し、行動が出来ると思って採用したんだと思う。
謙吾君の実力だよ。
うん。わかったよ。それは。
じゃあ。
ああ。
これからどうなるのかな、私たち。
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夢見る少女じゃいられない ©著者:ももか
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