あれから先輩は、約束通り、毎日メールとたまに電話をくれていたので、不満はなかった。
ただ、担当とはそれからも、たまに会って、先輩のことで相談に乗ってもらっていた。寂しさも紛れるし、私にとって、頼りになる存在だった。


先輩が海外に行って半年が経った。

突然、帰国するメール。

本社から呼び戻されたらしい。

驚いたけど、久しぶりに会えると思うと嬉しかった。


あ、先輩からの電話だ。


もしもし。

ももちゃん。メール見た？

うん。これから返信するとこだったの。
っていうか、謙吾君、テンション低いね。何かあった？

うん、まあ。仕事、順調に行って、これからって時に、突然の帰国命令、納得いかないなって。試行錯誤して、軌道に乗せたのは僕なのに、今更外されるのは、なぜ？
ごめん。こんなこと、ももちゃんに愚痴っても仕方ないのに。

いいよ。たまには。それに、謙吾君が愚痴を吐き出して楽になれたなら、嬉しいし。

ありがとう。ももちゃんは優しいな。

普通だよ。でも、理不尽だよね。頑張ってた仕事、途中で強制終了させられるなんて。

だよね。わかってもらえてよかった。でね、よく聞いて欲しい。会社、辞めようと思うんだ。そっちに戻って転職先見つけたら。

謙吾君が決めたことなら私は止めないよ。自分の気持ちのままに進んでほしい。

ありがとう。ももちゃん。元気でた。帰国したら真っ先に会いに行くから。

本当？嬉しい。