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56章:締め日
私は締め日に来たことがなかったが、その月は初めてコウくんに締め日の日に呼ばれた。
コウくんには期待しないでねっと念押しをしておいて、でもいつもよりは使うだろうと思い少し多めにお金を財布に入れて店へ向かった。
さすが締め日。
シャンパンがたくさん卸りている中、私も一応空気を読んでシャンパンを卸した。
コウくんは3組被っていた。
ラスト30分前、コウくんは現時点でこの日のナンバー2だった。
被り卓から戻ってくると真剣な顔をし
「キミカ、もう一本卸して欲しい。」
こう面と向かって言われるのは初めてだった。
『私掛けしたくないし、リステルが限界だよ?』
「ありがとう!リステルでじゅうぶんだよ!」
そしてシャンコが終わり、コウくんは他の卓に煽りに行った。
コウくんがシャンパンを卸すと、ナンバー1のホストも卸す。
そしてコウくんも卸す。
もう一度私に頼みに来たけど、もうお金もないし断った。
コウくんは好きだけど、ナンバーにこだわる気持ちがどうしてもわからなくて、無理な掛けを作ってでも力になりたいとは思えなかった。
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