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17章:growth
翌日...昼過ぎに目覚めた祐也が窓の外を見ると強風に煽られる木々が目に写った。
雨は少しはおさまったが今日は仕事にならないだろうと確信し、久しぶりに彼女とゆっくり出来ると心を踊らせた。
しかし外はこのありさま。
何をして過ごそうかと悩みながら彼女の寝顔を確認した。
すると何時も安らかな表情をみせる結月は珍しく苦痛にみちている。
昨夜のやりとりが悪夢を見させているのだろうか...
そう思い起こそうとした時だった。
彼女にふれると体が熱い。すごい熱だ。
祐也( 結月?? お前...大丈夫か?すごい汗だぞ!)
額に手を添えるといつもの体温ではない。
祐也( 風邪か? 病院いくか? )
結月( やだ。 病院嫌い。)
祐也( アホか! そんな事言ってる場合かよ!)
結月( うるさいなぁ... 大声出さないでよ...。)
すぐに新しい服に着替えさせた祐也はタオルを濡らし彼女のおでこに乗せた。しかし薬もなければ体温計もない。
仕方なく急いで着替え傘もささずにマンションの前にあるドラッグストアに飛び込んだ。
お粥や熱冷ましのシート、薬や飲み物を購入し家にもどる。
いきなり降ってきた大雨により再びびちゃびちゃになった祐也をみて彼女は笑っていた。
結月( あんたのほうが風邪ひくよそれじゃ!)
体を起こしタオルをとろうとする結月、そんな時まで彼の事を考えているのかと心にグッとくる。
今まで、こんな優しさに触れたことがあっただろうか...
祐也(いいから寝てろ!今お粥作ってやっから!)
結月(インスタントでしょ?)
祐也(わりーかよ!作り方しらねーし。)
クスクス笑っている彼女にいらつきながら、服を着替えるとインスタントのお粥をあたためた。
祐也(ほら、食え。 )
結月(今はいい。食欲ない。)
祐也(ふざけんなよお前、この嵐の中買いに行った俺の身にもなれよ。ほら。)
祐也が口に運ぶと仕方なく食べてくれる。
こうしてるとまるで子供を育てているような気分になる。
わがままで生意気だが優しくて不器用な彼女とこうやって歳をとっていくんだ。そう思っていた。
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