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10章:be alive
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10章:be alive
シャワーを浴び気分転換をしても先ほどの光景は消えない。
それでも彼女を見てると不思議と心が和んだ。
祐也( 何 食いたい? )
結月( なんでもいい。 )
祐也(お任せでいいか? )
結月( うん。)
彼女は笑う事すらせずただ自分の隣にいた。それだけで嬉しかった。
家に帰れば彼女がいる。連れ出せばついてきてくれる。それだけのことなのに、温かみを感じた。
自分の側にいる理由が、金であっても、生活費がかからないから、そんな理由でも良かった。
車を少し走らせた場所にあるこじんまりとしたその店は、昔何度か訪れていた。
店内はちっとも変わらない。
物静かなマスターの料理は中々の味で酒の種類も多かった。
彼女は酒しか頼まず、好みもわからないため適当に注文をとった。つまらなそうに気紛れに箸を運びながら酒だけは減りが早かった。
酒乱なのだろうか。
すると祐也の携帯が鳴り響いた。
祐也(ごめん。 ちょっと出るね。)
彼女はあまり興味がないように一瞬頷いた。
祐也(もしもし。)
アキラ(祐也さん!やっちゃいましたねぇ!)
祐也(あ? )
アキラ(スタッフ殴ったらしいじゃないですかぁ!)
祐也(あぁ、忘れてた。そんなことあったな。悪かった。 )
アキラ(オーナーが金で解決させました。あいつは必ず帰ってくるって、信じてるみたいですよ。)
祐也(何であの人、そんなに俺に期待すんだ。)
そのとき、結月が一瞬こっちを見た事に気付いた。
祐也は罰がわるくなりそれ以上の会話を止めた。
祐也( 悪い、今出先なんだアキラ。また連絡する。とにかく俺は戻らない。それだけ伝えてくれ。)
そう言って何かいいかけていたアキラを無視し電話を切った。
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