4章:心の鬼 (37/37)

「わかりました斉藤さん、今度の休み予定ある？」

「いえ、何もないですが仕事ありますか？」

「泊まりがけで何処か行きませんか？」

「えっ、えっ、今なんて言いました？」

「泊まりがけで何処か行きませんかって言ったんだけど。」

「本当ですか？さっきの仕返しじゃないですよね。」

「本当ですよ。何処まで話ができるか不安はありますが、私の話を聞いてもらえますか？」

「はい、わかりました。聞かせていただきます。ありがとうございます。ところで突然どうしたんですか？」

「私もずっとこのままではいけないと考えていましたし、高田さんの件もきちんと終わりました。この先の会社のこともあります。斉藤さんが私と一緒にやっていけるのか判断してもらおうと思ったのです。」

「はい、聞かせていただきます。でどうしますか？」

「かなり長い話になりますし、他の人に聞かれるのも困るので、都内のホテルのスィートでもとってゆっくりしながらでどうでしょうか？」

「はい。」

「では私がとっておきます。」