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22章:ユーリ・マルメラードフ (1/1)

22章:ユーリ・マルメラードフ

「わたし、マルメラードフいいます。日本語うまく出来なくてごめんなさい。ある人、さがしに日本きました」


ライターを貸してくれた青年は、流暢とは言えない日本語でそうオレに話しかけてきた。




自分の名前だけ簡単に名乗ったオレに、青年は更に話しかける。


「わたしの母国、ロシアの有名な作家、ドストエフスキーの小説の登場人物の苗字と同じです。

その小説『罪と罰』…わたしたちの誇りです。

その小説に出てくる酔っ払いの名前、それ、マルメラードフいいます。

わたしの名前もマルメラードフ、そしてわたしも酔っ払いです(笑)」


オレはタイトルと、その小説家の名前は聞いたことがあるような気がしたけど、難しい小説の話になりそうなので、聞き流そうとした。









しかし、そのロシア人青年の次の言葉にはっとし、心臓が止まりそうになった。





「わたしの探してる女のひと、わたしの苗字長いから、マルメラードフ言わずマルメラ、マルメラって呼んでたです」






Σ(・□・;)!!!


マルメラ? 女性??





まさかっ!

まさか、そんなことがっ……








オレは吸いかけの煙草の灰が落ちそうになることに気づきもせす、その青年に次から次へと質問を浴びせかけていた。



その女性が何歳ぐらいで、顔の特徴をはじ背の高さや、どんな言葉で、どういう喋り方をするのか?
そしてどこで出会い、逢えなくなったのはいつ頃のことなのか?




オレが興奮ぎみに、早口でしゃべる日本語が青年に聞き取りにくいこともあってか、その青年の探している女性に関してあまり詳しくは聞き出せなかった。





しかし、そのひとが東洋系の若い女性あること、パリのカフェで出逢ったこと、そして、マルボロライトのメンソールを手離さないこと…




青年の決して上手くはない日本語
からでも、そんな話を聞き出すことは充分にできた。





☆ アイツだ。


アイツに間違い。。。


もう一度、アイツに逢えかもしれない。



その奇蹟を、オレはこころから祈った。


いや、祈らざるをえなかった。



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カフェ ド パリに酔い痴れて ©著者:化狸狂頭

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