岐阜県 I 村、そこに目指す池はあるという。

公共交通機関もない寒村、まるで空想の中の理想郷・エルドラドを探し求めるように、オレは愛知県中部国際空港、愛称「セントレア」行きのジェット機の乗客となっていた。


パリのホテルを慌ただしく引き払い、一番早い便に乗ってだ。

12時間、2万キロ、地球半周の旅。


あの日本で、また再びあの闇の世界が待つのか、それとも、ささやかでも、なんらかの希望の光が見えるのか…？


取り敢えず、翔んでみよう！

すべては、それから。

考えるのは、後でいくらでも
出来る‼︎

『見る前に 翔べ！！！』



こころの奥から、そんな言葉が
湧き起こる自分がいた。

そして、そんな言葉が湧き起こる
自分に自分で驚いていた。



☆ ☆


アイツにまた逢えるかも知れない、いやきっと逢える…なんの根拠もないこんな思い込みが、今のオレを支えていた。



いつものようにマルメラの煙草を手に持ち、何事もなかったように空港の到着ロビーで待ってくれているアイツのまぼろし…





☆


『おそかったぢゃない！さっきから煙草吸いたくて、吸いたくて。。。
あ〜ニコチン切れだぁ（笑）』

そんな冗談でも言いながらオレの方に手を振るアイツ。




愛を知る…

愛知・セントレア空港。



アイツとオレが再会するのに、これ以上のシチュエーションはあるだろか？