もう一度、あのモネの館の睡蓮の池…あの池を見に行こう、オレはそう決心し前回アイツと一緒のバスツアーを手配してくれた、パリの新市街にある小さいけれど、親切な日本人スタッフのいる旅行代理店に向かった。


この前の、アイツと二人で訪れたときの、あの嬉しい気分などはどこにもなく淋しさだけで心をいっぱいにして。。。






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「あっ、お客さま。先日は弊社のツアーをご利用いただきましてありがとうございました。今度はどちらへ…？『地中海の航海・地中海クルーズ』の資料でもご用意致しましょうか」

その代理店の日本人スタッフは、何ヶ月か前の客であるオレのことを覚えていてくれていたようだった。

「いやもう一度、モネの館、あの睡蓮の池に行ってみたくなって」

「あの池の睡蓮の花は今はもう時期外れ、少し遅いかもしれませんよ。あの池がお気に入りのようでございますね。
あっ先日、日本の本社から面白い写真が送って来てたんで、今お持ちしましょう」

そう言うとそのスタッフは、オフィスの奥へ消えた。