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2章:ハロウィンの夜に (1/2)

2章:ハロウィンの夜に

『なに今夜、この店オレの貸し切りなの?(笑)』

『エッ、どうして?』

『だってオレ以外、誰も客いないじゃない!』

『貸し切り、か? そうしてもいいわよ。
そのかわり、いつもの10倍のお勘定払ってよね(笑)』

『それで今夜の従業員は?』

『あたしと、バイトの美梨のふたり』

『じゃ10倍はとても無理(笑)
この店、ボッタクリに変わった訳じゃないんだろ(笑)』

『まあヒドい言いかたね(笑)』




こんな冗談をママと気軽に言い交わせるほど、この店との付き合いは長く続いていた。
しかし、ここだけでなく他のどこの店でも、この10年というもの酒を飲みはしていない。

ウーロン茶を飲むだけの酔っ払い


10年の禁酒。。。

この10年でオレは何を得て
そして何を失ったのか…?


失ったもの…10年分の若さ
得たもの、、、?


墓場へ近づいた
確かに10年近づいた
それだけは明らかな真実




けさ新しい命が産まれた。
姪が女の子を産んだ…


オレは果たしてこの世に
新しい何かを誕生させてから
墓場へ行く事が出来るのだろうか


子供を産めないこと、男だからそれは明らかだけど、じゃあ何をこの世に、この宇宙に付け加えられるのか…?







『どうしちゃったの?
急に黙り込んじゃって』

『いや、ごめん。ちょっとね……ちょっと』

『なら、いいけど』


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カフェ ド パリに酔い痴れて ©著者:化狸狂頭

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