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1章:彼女はネイルアーティスト (2/2)

そう、きのうは10月末日、31日のはずでハロウィンだか何だかだと、カーラジオで聴いたような覚えはある。



そのハロウィンがいったいなにを祝うのか、そんな知識など日本で生まれ育ったオレに、あるはずもなかったんだが…




しかし、その日親戚に女の赤ん坊が産まれ、そのお祝いなんだと無理やり理由をつけて、10年間続いた禁酒を破ろうとしていたんだっけ…


そうだ、あの店。

飲み始めたのは、確かあそこからのはずだ。

きのうの夜、
そして、そうあそこの店で……





確か一口、いやグラス一杯だけ?
二杯、三杯…いやいや、ひょっとしたらもう少し(笑)


じゃあ、あの店でこの女と?

まさか!


☆ ☆ ☆

10年間のアルコールのブランクは予想をはるかに超えてオレのカラダ、いや頭に効いたらしい。


それに久しぶりにグラスを口にしたオレは飲むペース、とゆうのか速さがうまく思い出せず、店のスタッフが驚き呆れるほど次から次へと酒を口に運んでいたようだ。



渇ききった砂漠に、もし急に雨が降ったら、こんな勢いで水分が染み込んでしまうのかと思うほどすばやく、酒はオレに吸収された。






何杯目のグラスを口に運ぼうとした時、
そうその時、店の扉があいて…







店の扉があいてどうなったのか、その話を始める前に、きのうオレがその店のカウンターで一人で飲み始める頃まで、時間を逆戻りさせて欲しい。


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カフェ ド パリに酔い痴れて ©著者:化狸狂頭

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