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1章:7年前
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かなり久し振りに手にした数万円
昼間の出勤だった私は帰る途中で 家で待っているであろう息子の為に食料を買う
その日
とんかつ弁当2つ
飲み物3本
翌日のパン
息子のたばこ
…以上のおみやげを手にしてバスに乗り家路に向かった
家にたどり着いた
夏だった為未だ明るい
そう明るい内に明るい気持ちで息子にみやげを手渡した
昨日迄の荒みきった気持ちが一転したような顔の息子に…
正に至福のひととき
世間からすれば これまでの状況はただただ非難されるであろう
だってただのプー太郎だし
私もそうだったし
元々自分の蒔いた種だし…
情けない
でも今日からの私は変わった
後は息子だけ
だがこの時の私は前だけを見て行こうと云う気持ちしか無かった
取り敢えず 息子を食べさせなくては
成人した息子に対して甘いと思われようが構わない
親が子を守る!
だって私はこの子の親なんだもの
そして次の日も店へ行き 程よく稼いだ
又次の日も…
そうこうしながら 3週間程過ぎた
その日もいつものようにいつもの時間に家に帰ったら
嬉しい息子からの報告
「おかあ バイトみつけたよ」
と にっこり微笑んだ息子の顔が今でも忘れられない
親の背中を見て子は育つとはこの事だなと つくづく思った
その言葉を聞い間ホッとしたと云うより嬉しくて目頭が熱くなったのを覚えている
それからの私は風俗のお仕事を私のペースで私なりの目標に向かい一筋
7年もの間に色んな人に出会った
お客様は勿論の事
店の女の子達に…
中でも気の合う女の子もいる
私にとって大事な人達
年齢はバラバラだけどわたしの友達
仕事以外の悩みも言い合えるなんて
皆んな色々事情を抱えてこの業界にいる
だからこそ人の痛みを分かり合えるんだ
自分の事だけで精一杯って訳では無いんだな
そんな人達のいるこの店が大好き
これも縁なんだな
…と ここ迄は 深イイ話
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遅咲きの風俗デビュー ©著者:Tちゃん
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