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7章:今村の自尊心
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7章:今村の自尊心
【今村政宗】
ボクシングにギラついていた現役の時と変わらないトレーニングをこなしている日々。
否、仕事でもプライベートでも酒を飲めないストレスを全部ボクシングにぶつけているから、現役の頃よりも追い込んだトレーニングが出来ているな。
実際ジムのスパーでも俺よりも一回り大きい現役A級の奴をボッコボコにしているからな。
ジムの会長には現役復帰しろとは言われるけれど、今更ボクシングになんか戻らないってえの!
確かにホストでそこそこやってる今では、1試合でも最低30万はチケット捌いて稼げるだろうけど、金の問題じゃない。
どうせすぐに飽きて辞めるだろうしな。
次の試合が終わったらボクシングのリングには2度と上がらねえし!
対戦相手はやっぱりショボいオッサンか。
確かにポスターでの見た目がショボいオッサンだとしても、前回の夜王ボンバイエみたいなこともあるかもしれないし絶対に手を抜くことは出来ない。
その為にも激しいトレーニングをしてる。
前回の敗北は薄れかけてた自尊心を思い出せてくれた。
今もそんなに変わらないけど昔ヤンチャしてた頃のプライドを。
今は治安がよくなったとはいえ、東京のゲットー竹ノ塚を生き抜いてきたんだよ。
卑怯裏切り騙し打ち一対多木剣ナイフチャカ何でも有りの竹ノ塚を。
少しは治安が良くなってきたせいか、少し気持ちが薄れてたんだろうな。
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ボクサーでホストだった男の詩 ©著者:南月☆Dieち
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