8章:長かった再会 (13/13)

…ホテルを出ると雪が降っていた。

　真鍋はタカに電話をし

「あと頼むな。」

と一言だけ言い残し電話を切った…。


　雪が降りしきる中、歩いて麻布署へ出頭した…。



　ケーコと六本木での偶然な再会。

　それは偶然ではなく必然的であった…。


　真鍋は懲役1年半の求刑を受けた。


　ケーコの客は、某大手企業の役員だった。

　犯行に使用されたナイフは客の所持品だったため、殺人未遂は免れ、傷害事件になった。

　運よく目撃者もいなかったので、現場にはオレと客の2人しかいない事にした。

　客には家庭があり、ケーコの存在を知られたくなかったため、自ら出頭した事により、真鍋が描いていた通りの展開となった。