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1章:◇◆実刑判決◆◇
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1章:◇◆実刑判決◆◇
GREEで連載中のエッセーを、
ココにまとめてみました。
GREEのほうで質問が多数
あったので、その回答です。
Q:これはうっち〜さん本人のことですか?
A:そうだよ。
全部オレ自身の生き様を書いたものだよ。
登場人物の名は、プライバシー保護
のために変えてあるけど、ナイフを
カチャカチャ回してるようなキャラ
の濃い(笑)人物も本当に存在するん
で・・・。
実刑判決
(オレの生きざま)
≪≪プロローグ≫≫
宇都宮博斗
オレの時間は止まった。
オレのまわり全ての時間が止まっているようだ。
そんな静けさの中、遠くから俺を呑みこもうとしている悪魔の声が聴こえる。
時間が止まっているのは誰もが気付いているであろう。
誰も動かない。
まるで、誰もが呼吸すらしていないようだ。
そう、
動くものはひとつもない。
俺を呑み込もうとしている悪魔以外、確実に静止している。
「・・・」
「主文、宇都宮博斗被告を懲役二年六月に処する」
「・・・」
その後も俺を呑みこもうとしている悪魔の声は続くが、その声はオレの耳には届いてこない。
ただ、俺の握りしめる拳は、力も抜け、力が入りすぎていた肩も力を失い、いつの間にか止まっていた時間も通常に戻り、動きだしていたのである。
しかし悪魔はまだ、俺を呑みこもうとしているのである。
我にかえった俺は、傍聴席の妻、琴美の目から大粒の涙がスローモーションのようにゆっくり床に落ちることに気付いた。
「かならず待ってるから・・・」
という琴美に大きく頷いた俺は、その場で手錠と腰縄をされてしまった。
傍聴席で腰が抜けたように坐りこんでしまった琴美に、オレは掌を差し延べてやれないまま、お別れである。
オレが悪魔に呑みこまれてゆくのを、琴美はどうすることもできず、ただ、泣崩れながら俺を見送ったのだ。
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