煮え切らない態度は何時まで続くのだろう…いい加減私は疲れてきた。適当な対応をして場を曖昧に乗り切ろうとの作戦か？
もう、何を言っても彼の心には響かないし、話を聞き理解できる状態では無いと判断した。

どんな恩人だろうが、友人だろうが、自分が不利になれば他人など簡単に切り捨て自分を守る事に全力専念する姿を見て、なんと人間とは滑稽で醜い生き物なのだろうと私は落胆した。

極限の緊張状態で心は泣いてはいたが頭の中は澄み渡る空の様に冷静だった。

なるほど…色恋で抱いた女がよほど可愛いらしい。どう考えても彼女の行動は良い事とは言えない。しかし、彼は彼女を庇い続ける…その姿を私に曝すこの男はなんと無神経で優しさの欠片もない冷酷な人間で、今迄の優しさは偽りだったのだと私は思い涙が流れた…。

何度話をしても彼は私が仕掛けたと思い込み譲らない。彼女の話は信用するが私の話は聞いてくれなかった…。せめて私がどんなショックを受けたのだろうと少しは考えてくれていたら…私の心は救われたと思う。

私が落ちた精神の地獄。
悲しい。
悔しい。
でも、何処かに
まだ好きな気持ちは存在する。

いつか貴方は生きながら地獄に堕ちるでしょう…。私は貴方を好きになった時から、こうなる事も覚悟しどうするか決めていました。