1章:穴蔵…閣下 (2/5)

穴蔵ではあだ名の様なものが客の名前

「閣下って呼びなさい」

私の6人目の客

客は皆マスクを着けているので
はっきりとした顔はわからなかったが
何処かで見た事のある顔
聞き覚えのある声

おそらくテレビで見た人


「閣下…何からいたしましょう」

冷たく湿った床に跪き
おでこを床に付け閣下の指示を待った

「まずは吊るしてあげる」

「ありがとうございます…」

制服を着たままベッドの上に立ち
天井から吊るされた縄の様な物に
両手を上げた

閣下はその縄で手首を縛り
足元のベッドを退かした

これから油をかけられる北京ダック状態

全体重が縄にかかり
もがけばもがく程手首がキツく締め付けられる