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30章:〜神崎でございます!〜 (2/10)

 病院の職員に色々聞かれた。生年月日、住所、電話番号………

何も知らない。

しかも神崎雄造自身、身分を証明する物も、財布さえも何も所持品が無かった。

『あの、分かる人間を今呼びますから』

とキラが言った。

しかし、分かる人間と言えば稔と正幸だが、正幸は確か店にザムと行く事になってたし、稔は家を空けられないだろうし。

『稔さんから奥さんに連絡して貰うしかないな』

とキラが言う。

そうだ、奥さん居るんだっけ。

『じゃ、私ちょっと電話して来る』

そう言って、キラを一人廊下に残し、私はロビーに向かった。

♪〜♪〜♪×

〔はい、佐伯です〕

出たのはミックだった。

『私、りぃです。連絡遅くなってごめんなさい。実は……』

と概略だけ説明する。

〔そっか、解った。すぐに連絡取って貰う、10分したらまた電話して〕

と言って電話が切れた。

と、そこに警備員が通り掛かる。

『すみません、宮里村から此処迄って、どの位掛かりますか?』

中年の、愛想の良さそうな笑顔の警備員。

『宮里って言っても広いからなぁ。場所はどの辺?』

『リゾートの、あの別荘地』

するとその警備員は

『そうさなぁ、今の時間なら20分ちょっとかなぁ?』

と言った。

『ありがとうございます』

20分ちょっとか………

『りぃ。あのさ緊急手術なんだ。りぃ学生証持ってるか?つか、お前免許有るよな』

キラがロビーに来た。

『免許……あ、有った』

そう言ってキラに渡す。

とは言っても、私達は未成年だし、役に立つのかどうか。

『看護師さん、何か言ってた?』

『早くご家族を呼んで下さいって。ちょっと危険な状態だからって』

頭を殴られた、それだけだって危険なのに、あの寒さの中で倒れてたのだから、何が原因で命を落とすか判らない。

『今ミックさんに電話した。もう少ししたらまた電話する事になってる』

『そっか……』

キラは私の免許証を持って、また廊下の奥に消えた。

壁の時計を見ると、もうすぐ7時になる。結局また、夜明かしになった。

私は10分が待ち切れず、電話に向かう。

P〜P〜P〜P〜……

ダメだ、やっぱりまだ話し中だ。

しかし、奥さんになんて説明したら良いんだろうか。私達は元々、店を訪れただけの知り合いなのだ。

もう一度受話器を上げる。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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