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19章:〜結束と一人芝居〜
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松永に駅迄送って貰った。そして言われた。
今大切なのは、密に連絡を取り合う事。人間不信に陥らせるのも、洗脳の手段。
確かにそうだ。
今、私は誰をどう信じれば良いのか、判らなくなりつつある。
キラに対してだってそうだ。挙げ句、お祭り会場に在った珈琲屋の主人役迄。頭がゴチャゴチャになってる。
何やってんだろ、私。
乗り換え駅で、キラに電話した。キラは考えた挙げ句、ザムに話したと言う。
ミュウはどうするか?
となったが、それは今は止めておく事にした。ミュウはなんでもストレート。神崎のあの洞察力に敵う程のポーカーフェイスは到底無理。
地元の駅に着く。
ジュピターのある南口では無く、商店街の在る北口に出た。キラから電話でそう伝えられた通り、ザムの運転する四駆が在った。
『お疲れ〜』
後部席にはキラとトッシュが居たので、助手席のドアを開けてみんなに声を掛ける。
『おう、お帰り!』
運転席のザムが言った。
『キラから話し聞いたよ』
と、トッシュは沈んだ声で言った。
『俺も全く気づかなかったからな』
と、キラも深刻に言う。
『とにかく、ここに長い間停めて置くのはマズイから、移動する』
ザムはそう言うと、車発進させる。ロータリーを左に出るとすぐに、この前キラと行ったファミレスが在る。
『駐車場、結構空いてんな……此処でいいか?』
ザムの言葉にキラが
『ああ……』
と気の無い返事をした。
店舗の下の駐車場。
敢えて道路から見え難い奥に車を停める。
車を降りると外階段を上った。
『いらっしゃいませ』
店に入ると、この前の女性マネージャーがやって来た。
『4名様ですね。ご案内します』
と言って、窓際の席に案内しようとしたので私は思わず
『あの、できれば窓際じゃなく奥にして下さい』
と言った。わざわざそんな事を言うのも変だが、彼女はポーカーフェイスの笑顔で
『畏まりました』
と言い、入り口からも死角になりそうな場所に案内した。
そして、メニューを置くと一礼して下がる。すぐに別のスタッフがお冷やとお絞りを持って来た。
取り敢えず珈琲だけ注文する。
スタッフが下がると、私は鞄からあの怪文書と、山崎が書き写し、松永がパズルを解いたリーフと、そして、購入した入門書を取り出し、ついでにマスターから借りた、ジキル&ハイドも。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)
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