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18章:〜メッセージ〜
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《ジツハキサラギニニチサツガイジッコウ》
松永が、リーフの空いてるスペースに書き出した。
『ちょっと待って、最後の方………【殺害実行】?!』
マスターの言葉に、みんな顔を見合わせる。
『………でも、そう言う事みたいだよね』
と山崎が言う。
すると、松永がその言葉を別の場所に書き、その部分に二重線を引いた。
残ったのは
《ジツハキサラギニニチ》
となった。
『あの、ニニチって二日って意味じゃないですか?』
ふと思いついて言ってみる。
『あぁ、そう考えられそうだ』
と松永が【殺害実行】と書いた傍に【二日】と付け加える。
《ジツハキサラギ》
残りはこの7文字になった。
『ジツハ……ジツハ』
念仏を唱える様に呟いていた中川が
『ジツハはジツ【ワ】って読ませるんじゃないかな?】
と言い出し、山崎が思いついたかの様に
『ね、先頭の【キ】を付けたら【期日は】って事にならない?』
と言う。
『うん、そうだよね』
とみんな納得。
『じゃ、残ったのは【キサラギ】だよね。【如月】つまり2月!】
と中川が言った。
松永がパズルのピースを繋ぐ。
《期日は2月2日。殺害実行》
暫く誰も何も言えなかった。たた、黙って珈琲を飲んだり、煙草を更かしたり。
私は、みんなのそんな様子をぼんやりと見つめながら、神崎の中に潜む、ジキルとハイドを思い描いていた。
私は、トッシュに暗示を掛ける為の脅しに過ぎない、そう思っていたメモに、こんなメッセージが潜んで居たなんて、夢にも思わなかった。
でも、神崎が一番伝えたかったメッセージは紛れも無く、これだったのだ。二人の片方を葬る為に。その存在の記憶を抹消する為に。
神崎竜司。
父親が神格化した彼は、その役目が終わった今、父親から離れ独り歩きをしながらも、その栄光を忘れられず、鏡のラビリンスをさ迷い続けてる。
『2月2日………あと3ヶ月半か』
そうマスターが呟く。
『りぃちゃん、どうする?警察に話しを通しておく?』
松永が言った。
『でも、今の時点で警察動くかなぁ』
と山崎が言う。
『うん、そこなんだよね。過去に犯歴があれば別だけど、日本の警察は、事が起こらないとなかなか動いてくれないからなぁ』
と中川も言った。
私もそう漠然とそう思っていた。多分、無駄………
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