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16章:〜欲情と神格化〜 (14/14)

『でも、それは無理だ。調べればすぐに判る』

キラが言った。

『うん、私もそう思う、絶対すぐに判るし、それ以前に今更告発しても、どうにもならないんじゃ……』

と私も言う。

『英里子さん、必死なんですよ今。神崎に結婚話しが浮上してるから。神崎も狡い人間です。英里子さん、利用されますきっと』

『利用ですか……』

『ええ、私達がそうだった様にね。尤も、私達はまだ子供だったし、ただ単純に使命感だけで動いてましたけど、英里子さんの場合、彼を離したくなくて必死になってるから、だから余計怖いですよね』

それは言えてる。

あの二人、あの時私にも気づかない程、真剣に何かを話してた。一体何を話してたんだろう。

『神崎さんは英里子さんの所に頻繁に来るんですか?』

キラの言葉に、私は真也の話しを思い出した。

『結構来てるって言ってたよ』

代わりに私が答えると里美が

『真ちゃんでしょ?』

と言ったので思わず頷く。

『内々の話しはしちゃダメって言ってるのに』

と里美が言ったので、私が焦って

『あ、彼から話したんじゃなくて、私が無理に聞き出したんです』

と言った。実際聞いたのは私だ。

『大丈夫ですよ、私何も言いません。あの子も色々気づいてますから』

里美は煙草を水の入った灰皿に落とした。

『でも、神崎の本当の目的は私なんです。神崎が私を告発すると言うのと同じ様に、逆に私が告発するのでは?とも思ってるのかも知れません。私、殺されるかも知れない、時々そう思うんです』

殺される?

『今でも時々、鏡の中の夢を見るんです。ずっとずっと鏡、上も下もね』

洗脳……

ある意味私自身も、そうなのかも知れない。だから、あんな夢を見るのかも。

『俺、洗脳されてたな』

キラが呟いた。

『りぃが言う様に、あのドッペルゲンガーか鏡の住人か判らないけど、きっと神崎さんかも知れない。それに、りぃが見た俺だって、俺みたいな奴なんて何処にでも居るからな』

そう言うと、コーラを一口飲む。

『里美さん、あの人、精神病んでませんか?』

私の質問に、里美は少し考えてから言った。

『神主さんである父親は、時々狐が憑依してパワーを発揮する、なんて言ってるけど、そう考えた方が現実的ですよね』

金儲けの為の神格化。

ある意味神崎もまた、犠牲者なのかも知れない。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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