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15章:〜味方は誰?〜
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キャンパスを出る時にはまだ明るかったのに、地元に帰ると真っ暗になってる。電車の中が明るいだけに、この田舎町の駅に下りると、余計淋しく感じる。
ロータリーの左斜め前を見ると、石造りの倉庫、私のバイト先であるカフェレストランが、お洒落なイルミを光らせている。普段は見慣れた光景なのに、何故か今日は違って見える。
キラはもう居るのだろうか。
と、店の前の駐車場を見ると、10台程の車が停まっていて、店の壁際の駐輪場にも、自転車やバイクが停まってる。今日は、重い足取りで店に向かう。
駐輪場を見る。
キラのロードバイクが在る。
キラはもう既に来ている様だ。
昨日、散々考えて居た事が、頭の中でグルグルとして、キラに会うのも正直怖い。
でも、あれはあくまでも私の仮説に過ぎない、そう思って店のドアを開けた。
『いらっしゃいませ……』
と寄って来たのは真也だった。
『あ、おはようございます。あの、もしかして、あそこのお客様って、確かお友達の方ですよね?』
真也の視線の先にはキラの姿が在った。
『うん、何時頃から来てる?』
そう聞くと
『結構経ちますよ。俺、5時半に入ったんですけど、その時にはもう居ましたから』
そんなに早くから居たのか。
時計に目をやると、まだ6時を回ったばかりだったので、私は勇気を出してキラの元に向かった。
『お疲れ』
キラは何時もの笑顔だった。その笑顔を見てると、私は自分の立てた仮説を疑いたくなって来る。
『お疲れ様、随分早くから来てたみたいね』
『うん、ちょっと夕べ考えたんだけど、もしかしたら神崎さんが来るんじゃないかって気がしてね』
『今夜?』
『うん。昨日見た神崎さんは、きっと何時もの神崎さんじゃない。だから、何時もの神崎さんが確認に来る様な気がしたんだ』
とそこへ
『お疲れ様〜珈琲で良かったですか?』
と里美がやって来た。
こんな風に里美がやって来るなんて、あの鏡の時以来、初めてだった。
キラが私に目配せをした。つまり、チャンス、と言う事の様だ。
『あの、里美さん、ずっと聞きたかったんですけど、里美さんが以前、鏡の破片で怪我した時って、鏡が真っ黒になったって本当ですか?』
すると里美は一瞬何の事か解せない顔をした。
『鏡が真っ黒に……ですか?』
その瞬間、キラの顔色が変わった。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)
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