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15章:〜味方は誰?〜 (2/9)

 キャンパスを出る時にはまだ明るかったのに、地元に帰ると真っ暗になってる。電車の中が明るいだけに、この田舎町の駅に下りると、余計淋しく感じる。

ロータリーの左斜め前を見ると、石造りの倉庫、私のバイト先であるカフェレストランが、お洒落なイルミを光らせている。普段は見慣れた光景なのに、何故か今日は違って見える。

キラはもう居るのだろうか。

と、店の前の駐車場を見ると、10台程の車が停まっていて、店の壁際の駐輪場にも、自転車やバイクが停まってる。今日は、重い足取りで店に向かう。

駐輪場を見る。

キラのロードバイクが在る。

キラはもう既に来ている様だ。

昨日、散々考えて居た事が、頭の中でグルグルとして、キラに会うのも正直怖い。

でも、あれはあくまでも私の仮説に過ぎない、そう思って店のドアを開けた。

『いらっしゃいませ……』

と寄って来たのは真也だった。

『あ、おはようございます。あの、もしかして、あそこのお客様って、確かお友達の方ですよね?』

真也の視線の先にはキラの姿が在った。

『うん、何時頃から来てる?』

そう聞くと

『結構経ちますよ。俺、5時半に入ったんですけど、その時にはもう居ましたから』

そんなに早くから居たのか。

時計に目をやると、まだ6時を回ったばかりだったので、私は勇気を出してキラの元に向かった。

『お疲れ』

キラは何時もの笑顔だった。その笑顔を見てると、私は自分の立てた仮説を疑いたくなって来る。

『お疲れ様、随分早くから来てたみたいね』

『うん、ちょっと夕べ考えたんだけど、もしかしたら神崎さんが来るんじゃないかって気がしてね』

『今夜?』

『うん。昨日見た神崎さんは、きっと何時もの神崎さんじゃない。だから、何時もの神崎さんが確認に来る様な気がしたんだ』

とそこへ

『お疲れ様〜珈琲で良かったですか?』

と里美がやって来た。

こんな風に里美がやって来るなんて、あの鏡の時以来、初めてだった。

キラが私に目配せをした。つまり、チャンス、と言う事の様だ。

『あの、里美さん、ずっと聞きたかったんですけど、里美さんが以前、鏡の破片で怪我した時って、鏡が真っ黒になったって本当ですか?』

すると里美は一瞬何の事か解せない顔をした。

『鏡が真っ黒に……ですか?』

その瞬間、キラの顔色が変わった。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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