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14章:〜疑惑〜 (11/11)

でも、私はこれ迄にも、人の体験し得ない事はいくつも体験してるし、鏡の事にしても、私は直接里美から話しを聞いてない。

同じ、と英里子から聞いてるだけだった。

何かがおかしい。

神崎、キラ、英里子、そして………

落ち着いて良く考えれば、この一連の流れのキーパーソンはこの三人だけ、と言う事にならないだろうか?

そう言えば、最近里美との接触が無くなってる。里美が更衣室の掃除に来る事は無い。フロアに居る限り、里美を捕まえてそんな事を話すのは不可能だ。

意図?

ミュウはキラとは楽器屋の伝言板で知り合った、と言った。そしてキラはお祭りの日に、初めて神崎を知った。

本当に初めてだったのだろうか?

夢や起こった現象を、私はただ単純に、神崎に言われるがまま、鏡の世界と結び付けて考えていたが、これ迄だって、普通ならば見えない物を見て来てるじゃないか。

何故鏡にこだわっていたんだろう。

ふと、結希に言われた【鏡教】と言う言葉が頭を過ぎり、同時に、あの喫茶店に来た奇妙な客の【リボンのお嬢さん】と言う言葉が頭を過ぎった。

結希は【達】を付け無かったからと言って、細かい事にこだわり過ぎだと言った。私にはどうしても恐怖だった。

でも、それが結希の言う通りだとしたなら。

私は嵌められてる?

明日、キラが来る。そして英里子を観察すると言う。だから、キラは私の味方だと思ってる。

でも、もし、英里子とキラに別の繋がりが有ったとしたらどうだろう。そう、キラが観察するのは、英里子では無く、実はこの私。

 久々に夢を見た。真っ白な世界の夢。右も左も上下さえ解らない、ただ真っ白な虚無の世界。

結局、夢に何かを見る事も、何かを聞く事も無く、朝を迎えた。

今日は授業がある。行かなくちゃ。窓を開け、鞄に必要な物を詰め込み、着替えた。

部屋のドアを開けると、味噌汁の良い香りがする。今朝はご飯の様だ。

鞄を玄関に置き、洗面所に向かう。洗面所には大きな鏡がある。神崎の存在を知ってから、極力見ない様にしていた鏡だったが、もう、あの独特な不気味さは感じなかった。

洗顔を済ませるとキッチンへ。

父はまだ起きて来て無かった。

焼き魚でご飯を食べ、口を濯いで、近所のバス停から一日たった二本だけ出るバスに乗り、駅に向かう。私の心の何かが変わって行く。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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