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12章:〜宣戦布告〜 (11/11)

キラは自分で何かを気づき始めてる。

『何故そう思うの?』

『さぁ、難しい事は良く解らないけど、でも、実際に生まれたのは一人なんだ。だから、当然一つの運命しか無い筈。だから、どちらかは嘘と言う事になるんじゃないかな?でも、嘘は突き通せばやがて真実になる。だから、仮に奴が俺を抹消し、俺と言う衣を着て、今のこの俺に成り済ましても、もう、真実の俺は何処にも居ないのだから、奴が真実って事になるのさ』

鏡が割れたのは、もう、その人の還るべき場所が無くなったから、そう神崎は言った。

つまり、キラの還る場所も無くなった、と言う事になる。

『俺が消えて、あの俺が残ったとして、一体何が変わると思う?だって自分自身なんだよ。周囲だってきっと何も気づかないし、仮に人が変わった様に感じたとしても、それは俺自身が変化したに過ぎないんだ』

確かにそうだ。それは神崎も言っていた。

『なぁりぃ。今、もう一人の俺は、この次元に居るんだよ。俺はいつ抹消されるか解らない。でもな、俺の違いをりぃなら感じ取ってくれる気がしたんだ』

複雑な気持ちだった。キラが消える。でも、だからと言って、キラは居る。キラはキラなのだから、何も変わらない。

本当に変わら無い?

『神崎さんに話してみない?』

そう言ったが、キラは直ぐに返事が無かった。

暫しの沈黙の後、徐に

『話した所で、神崎さんが何をできるんだろう』

その瞬間、私の頭には【抹消】の二文字が浮かんだ。そう、後二日、と言っていた。今日と明日と、そして入れ代わる。入れ代わる前の神崎なら、きっと何とかしてくれるかも知れない。

『判らない、でも鏡の話しの発端は神崎さんだし』

今、神崎の姿を確認したばかりだと言うのに変な感覚だが、あの神崎は神崎であって神崎じゃない、私はもう、そんな割り切りが、極自然にできる様になっていた。

『神崎さん、俺の見た奴の事を夢だと思うのが一番の身の守りって言ってたよ。なのに、またこんな話しを振り返しても』

抹消の話しは約束だからキラには話せない。でも、神崎は抹消する方針で居る。だとしたら、キラのもう一人も、きっと抹消できる筈。

でも、それは明日入れ代わる迄の神崎で、それ以降の神崎は抹消等と言う考え自体知らないらしい。

『神崎さんに連絡取ってみる』

私はバッグから神崎の名刺を取り出した。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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