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11章:〜抹消と死〜 (9/9)

私、居ないじゃん………

なんで?!こんなにも近くで覗いてるのに!つか、何が映ってるのよ?!

びっしょりに濡れた表面は、歪んでモノを映すから、何が映ってるのか良く判らない。でも、歪んで映るにしても、こうして鏡と睨めっこをしてるのに、私の顔のどの部分も映ってない!

私は気味が悪いのと、怖いモノ見たさで確認したいのとで、脱衣所に行き、ランドリーバスケットの中からタオルを取り出すと、鏡を拭こうと浴室に戻る。そして、鏡の表面の水を綺麗に拭き取った。

私が居る。うん、確かに紛れも無く私が居る。私は私なんだけど………あんた、誰?

何故、服を着てる?
何故、髪束ねてる?
何故、化粧してる?

     なぜ?!

鏡に映った私は、一瞬目を合わせ私に笑い掛けると、見る見る内に、鏡の奥底に吸い込まれて行った。

そして、そこには極当然の事として、今の私の不様な状態が映し出されてた。

でも、でも確かに今、私が居た。私が私を見て笑ってた!

私は誰?そして何処に消えた?

きっと気のせい。そう、今日は早朝から授業あったし、バイト先ではあの神崎と遭遇するし。どうかしてるんだ。

とにかく、もう寝よう。

そう自分に言って聞かせると、私は脱衣所で簡単に髪を乾かし、部屋に行った。

妹はまだ起きてるのか、部屋には明かりが点いていた。何か暗記でもしてるのか、ぶつぶつと念仏を唱えてる。出来るだけ刺激を与え無い様にそーっと部屋のドアを開け、そーっとドアを閉めると、サッサと内側から鍵を掛けた。

部屋の明かりは点けず、そのままベッドの枕元のスタンドを点ける。そして、南に面した窓のカーテンを閉め、ベッドに上がる。

ベッドの横の出窓からは、艶やかな月明かりが差し込んでいた。

何故か、その月明かりをずっと眺めていたくて、その出窓のカーテンはそのままにしておく事にした。

今夜も奇妙な夢を見るんだろうか?

そんな事を思いながら、瞼を閉じる。疲れてる。本当に疲れた。体が鉛の様に重い。やがてがて、私は明るい世界に辿り着いた。

すぐ傍には机があり、その隣に本棚がある。そして入り口のドアを挟んだ向こう側には、白いドレッサーが在った。何だかとても懐かしい光景だ。やがて、頭上ではGZwwwwww〜!!

煩い!!

私は慌てて目覚ましを止める。なんの事はない、自分の部屋だった。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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