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10章:〜割れた鏡〜 (3/12)

 店の駐車場には、土曜日と言う事もあり、かなりの車が停まってた。

『1350円ね』

タクシーの運転手にそう言われ料金を支払うと、車を下りて店に向かう。

久々に、石の扉を開けると、英里子がやって来た。

『いらっしゃい……あ、りぃちゃんお疲れ様』

『ご無沙汰しててすみませんでした』

そう言うと

『試験お疲れ様』

と言われた。取り敢えず、カウンターに行き、中のスタッフに挨拶すると、更衣室へ。

更衣室の扉を開けると、一ヶ月前と何かが違ってる。

何だろう……

と、良くよく考えると、まずはロッカーの位置が反対になっていて、今迄奥の壁際にあったのに、手前の壁際になっている。

そして、ドレッサーの位置が、部屋の一番奥に。

しかも、ドレッサーが新しくなっていて、今迄の三面鏡では無く、一面鏡。その隣には、大きな三面鏡の姿見があった。

『失礼しまーす』

バイトのアキがやって来た。

『あ、おはようございます。ね、前のドレッサー、どうしたの?』

髪を後ろで束ねたアキは、私より一つ年下の専門学生。

『あ、あのドレッサーは、突然割れちゃったんですよ』

突然【割れた】?!

『何かがぶつかって割れたって事じゃなくて?』

『そうなんです。いつもの様に、里美さんが此処の掃除をしていたんですけど、ドレッサーの鏡を磨いてたら、突然割れたんですって。しかも、ヒビが入ったんじゃなくて、破片が飛び散って、里美さん、頬に傷を負ったんです』

『え〜?!』

『もう間一髪って感じでした。だって、あとほんの少しズレてたら、目の中に飛び込んでいたかも、って場所でしたから』

怖い。しかし、鏡が弾けたと言う事なのか?

『それ何時の事?』

『まだ一昨日です。そしたらオーナーが、いずれにしても姿見は必要だからって、このドレッサーと姿見をすぐに用意して。ここ、身嗜み煩いから』

鏡が割れた。

私は験を担ぐ事無ければ、おまじないも信じるタイプでは無い。だから、例え鏡が割れたと聞いても普段なら、単なる劣化と考え、特に気にも止めないのだが、割れた鏡が鏡だし、そもそも弾けて破片が飛んで来た、なんて事は普通有り得無い。

『じゃ、里美さんどうしてるの?』

『一応病院に行って、縫う迄はいかなかったみたいなんですけど、場所が場所なんでお休みしてます』
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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