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7章:〜鏡の住人〜 (10/10)

すると、あちこちから

《きゃー!》

と黄色い歓声が響く。のど自慢の結果を待ちをしてるご年輩の皆さんが迷惑そうな顔をしたり耳を塞いだり。しかし、女の子達はお構い無し。

『おい、1位のバンド名ってなんだって?』とザム。

『さぁ、聞き取れ無かったよ』
とトッシュ。

『凄いじゃないですか!』

と、神崎が黄色い歓声に負けない歓声を上げた。

『俺達が1位になったって事か……』

さすがにキラも驚いてる。

確かに嬉しいのは嬉しいのだが、私はどうにも腑に落ちなかった。夕べの前夜祭、出演者も含め、そこ迄の人数は居なかった気がする。まぁ、これもある意味、町起こしイベントの特徴かも知れない。

〔続きまして、本日ののど自慢大会の結果を発表します〕

その時

『あ〜!キラさんだ!』

今更?さっきからずっと居たではないか。

一人がそう言うと、みんな続々と集まって来た。

殆どは女の子達で勿論キラ目当て。でも中には男子も居て、昨日私達の前に出演していた、男子5人で2位になったクローズのメンバーもやって来た。

『おめでとう!俺達もファンにならせて貰うよ』

と、リーダーのルイがキラに声を掛ける。

『いや、まだ駆け出しですから。今回が初めてだし』

とキラは戸惑いながら言う。

『それにしちゃ、オリジナル迄あるなんて、凄いじゃない!』

クローズのキーボードが言った。私は内心、ネタバレになる、と思いヒヤヒヤしていたが、キラはさすがに私の素性は言わなかった。

その時、突然神崎が私の肩を無言で叩いた。そして、機材の置かれた近くのテントを指差した。

え?!嘘?

私はすぐに信じられ無かった。でもどう見てもそっくりだ。それは紛れも無くキラだった。でも、キラの兄弟はお嫁に行った姉しか居ない筈。双子だなんて話は聞いてない。

そのキラらしき人物は、無表情のまま、キラの見せた事の無い、鋭い眼差しでじっとキラの背中を見てる。

これってドッペルゲンガー?!

余りの恐ろしさに、逆に冷静になっていた。何故か恐怖は何処かに消え、神崎の制止を振り切り、そのキラの元へ引き寄せられるかの様に歩き出した。大丈夫、キラは女の子達に囲まれて、気づいてない。すると神崎が私の後を追って来て言った。

『鏡の住人に、声を掛けてはいけません』

鏡の住人………

もう一人のキラ。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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