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6章:〜合わせ鏡とドッペルゲンガー〜
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〔じゃ、また皆さんとお会いできる事を楽しみに!どうもありがとうございました〕
会場から拍手とに笑いと名前を叫ぶ声が沸き上がる。どうやらトークショーは終わった様だ。
『終わったみたいですね』
結局、私は何をしていたんだろう。私も観たかった。
『申し訳ありません』
神崎が本当に申し訳無さそうに言った。
『あ、いえべつにテレビでも観られるから』
でも、生で観るチャンスだったのに、私は何故かこの神崎に誘導される様にして、ここに来ていた。
『私のせいなんですよ。あなたと私の波長のせいです。同じ波長の者同士、何事も同じ行動になる事は良くあるのです』
神崎と私が同じ?
『私がお仲間、と申し上げたのは、波長も理由の一つです』
私には意味が解せなかったのだが、ここ迄の流れから推測できたのは、神崎にはかなりの霊感があるのかも知れない、と言う事だけだった。
それにしても、ドッペルゲンガーって何だろう。
『ドッペルゲンガーは、鏡の世界と同じなのです。永遠と自分の後ろ姿が写る鏡の世界、でも、その13枚目だけ、その自分がこちらを向いている事がある。その自分と目が合うと、あの世に逝ってしまう、そう言われてるのと同じ事です』
私は本来、こうした話しが嫌いではない。現に不思議倶楽部と呼ばれる、不可思議な集会にも参加してる。確かに世の中には、理屈では解明できない事は沢山ある。が、いつも聞く話しは過去の体験だが、神崎の話しは今の事だ。
『いや〜笑ったぁ!』
『腹いて〜』
そんな声が近くで聞こえて来た。みんなバラけて来たみたいだ。
とそこへ背後から
『り〜ぃ!あんた何してたのよ〜』
とミュウの声が聞こえてきた。
『終わっちゃったじゃない!』
私が振り向くと、ミュウの後ろから、キラ達もやって来た。ミュウは神崎の姿を見て、一瞬黙る。
『あれ?もしかして昨日の?』
ミュウの言葉に、神崎が笑顔になって
『はい、昨日お目に掛かった神崎です。お友達をお借りして申し訳ありません』
と立ち上がる。
『え〜!神崎さんってまだお若い方だったんですねぇ……』
すると神崎は少し照れ臭そうに
『暗がりだと、かなりの年配者に間違われるんです』
と言った。
『りぃ、神崎さんカッコイイ!』
ミュウは、昨日ラーメン屋で出会ったあの三人組と、何ら変わらなかった。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)
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