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5章:〜神崎 竜司〜 (2/7)

 会場の河川敷。確かに予想通り駐車場はいっぱい。スタッフや警備員が誘導していても、会場付近にはとても停められそうに無い。一応仮設駐車場としてロープで駐車枠は作られていたが全然足りず、それ以前にその枠自体機能してない。みんなもう自由に停めてる状態だった。

『ちょっと離れるけど、空いてる所に停める。車傷にされたら兄貴に何言われるかわかんね』

ザムは、誘導しようとしたスタッフを無視して、会場から離れた、駐車スペースになっている向こう側に車を停めた。

『しかし、まだ時間早いな……どうする?会場行っとく?』

キラが周りを見る。

『ね、かき氷食べたい!』

とミュウが言ったので、全員で会場に向かう事にした。

 昨日は前夜祭と言う事で、数軒しかなかった露店が、今日は所狭しと並んでる。辺りには、ソースや、醤油を焦がした様な、如何にも食欲をそそる香りが漂う。

『朝ご飯食べずに来れば良かった』

ミュウの呟きも尤もだ。

『俺、焼きそば食う』

ザムが焼きそばの店の前で言うと、トッシュも

『あ、俺も!』

と言って後から着いて行く。キラはキラで、焼きとうもろこしの店に行くと言う。

『私かき氷買いに行く!りぃは?』

『うん、お願い私の分も買ってきて』

そう言って財布から百円を渡す。

『りぃ、どうしたの?』

会場をあちこち眺め回していたら、ミュウが不思議に思った様だ。

『ん、ちょっとあの占い師が来てないかと思ってね』

『あ、夕べのあの占い師?あーゆー人って暗くならないと来ないんじゃない?』

そうかも知れないが、やっぱり気になる。

『昨日の場所見てきていい?』

ミュウにそう聞くと

『いいけど、じゃ、私買って来るね』

と言ってかき氷の店に目を向ける。

『あ!結構列び始めてる!』

と焦って行き掛けて、一度立ち止まり

『そうそう、りぃ何味?』

と振り返った。

『イチゴ!』『了解!』

ミュウが、急ぎ足でかき氷の店を目指す。私は、ステージに近づいた。ステージは、お笑い芸人のショーの準備なのか、モニターやマイクのセッティングをしたり、花を運んだりと何かと忙しそうだ。

私は邪魔にならない様に、少し離れた位置から、ステージの裏手に回った。でも、やはりミュウの言う通り、そこに占い師の姿は見当たらなかった。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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