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4章:〜闇の道化〜 (7/7)

この前買った、と言ってた白いレースの衿の着いた、淡いピンクのワンピース。ミュウは割とお洒落で、バイト代は殆ど服の為。

『あら?深雪ちゃん、いらっしゃい、素敵なワンピースね。上がってジュースでも飲んでったら?』

母が奥からやって来た。

『おはようございます。友達も一緒なんで……』

友達?!まさか……

『あら、じゃお友達もお呼びして、ちょっと冷たい物でも』

ダメ、奴らなんて呼べない。呼んだら最後、絶対バンドの事がバレる。

『ママ、約束だから私行ってくる』

そう言うと、急いで部屋に戻り、クローゼットを開ける。ミュウがワンピなら私もワンピ。でも、私は淡い色が似合わない。先日原宿で入手した、ゴスロリ系の黒いワンピースを取り出した。

急いで着替え、髪を束ね、バッグを手に部屋を出ようとして、ふと立ち止まった。

あの占い師の名刺が、ベッドの枕元の棚の上に有る。

13枚目……
誰かに聞いたら意味解るかな?

もしかするとまた、あの占い師が来るかも知れない。

私はそれもバッグに入れて玄関に行く。

『ミュウお待たせ!』

待機していた彼女に声を掛けながら靴を履いてると、奥から母の声が聞こえて来た。

『遅くなるなら連絡入れるのよ!』


 庭先の道路には、やっぱりザムの四駆が停まってる。

『おはよう、私も行くつもりだったんだけど、こんなに早くから行くとは思わなかったよ』

ミュウと一緒に後部席に乗り込むと、既に後部席で待機していたトッシュが、一枚のリーフレットを見せる。それを見て私は思わず

『え〜?!』と声を上げた。

そこには、今人気のお笑い芸人のトークショーが、11時に開催されるとあった。

『え?りぃ、あんた知らなかったの?昨日会場にポスターあったじゃない』

私はどうも疎い所があって、割と周囲を気にしない。道理で妹は、早々と出掛けたわけだ。

『駐車場、ど〜すっかなぁ?もう河川敷いっぱいだろうなぁ』

そう言いながら、車を発進させた。

田舎町。芸能人がやって来るとなったら、それこそ大騒ぎとなる。

『夕べ、大丈夫だった?』

助手席のキラが後ろを向く。

『うん、なんとかね』

『りぃ、家族には内緒だもんね』

とミュウに言われたが、表向きは内緒、しかしあの妹はこれをネタに、きっとまた何か言ってくる。

アヤツは侮れない。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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