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5章:〜神崎 竜司〜 (5/7)

 私は分厚い人の壁を縫う様にして露店の並ぶ近くに設置された、大きなごみ箱を目指す。すると、前からりんご飴を美味しそうにかじりながら、三人の中学生くらいの女の子達がやって来た。だが、良く見ればその一人は妹のりか!

あの♀狸には何としても、一言言ってやらねば腹の虫が収まらない。

『りか!』

私が声を掛けると、妹は少し驚いたのか、かじろうとしていたりんご飴を口から離した。

『あ!お姉、お姉も来たんだ』

『あんたね、お金ある癖に、なんであんな嘘付くのよ!』

と言うと、妹は開き直ったのかりんご飴をかじりモグモグしながら

『何のこと?』

と澄ましてる。

『あ、お姉さん!』と言うなり『昨日スッゴく格好良かったぁ!お姉さんだよね、あの英語の歌の伴奏……』いつも遊びに来る玲子だ。

???

すると、もう一人の女の子も

『今日は〜』

と言ったので、私も笑顔を無理に作り『今日は』と返す。

そして、サッサと立ち去ろうとした妹を捕まえた。

『ちょっとあんた、調子乗り過ぎ!朝私から二千円取ったでしょ!なのになんでパパ達にあんな嘘言ったのよ?!』

と言うと『そうだっけ?』と。

『そうだっけじゃない!私は二千円渡した!』

すると妹は

『何の二千円?』

と惚ける様に言う。

『あんたが観たライヴの口止め料』

と言うと、なんと妹は

『やっぱり、当たりだったんだ!』とニヤっと笑う。

『何よそれ?!』

『お姉ってやっぱ単純。私は観たなんて一言も言って無いもんね〜、観たのは玲子!でも、玲子は半信半疑だったんだけどね〜♪』

『なんですって?!だってあんた今朝言ったじゃない?』

『何を?』

『《私は真実を知るオンナ》って!』

すると妹は何の動揺の色も見せず

『うん言ったよ、でも観たなんて一言も言って無いもんね〜♪』

人前じゃなかったら絶対手を挙げてた。この妹にはいつもこんな目に遭わされる。

『パパに言ってやる!』

と私が言うと

『じゃ、私はママに話そう♪』

と言った。

私は澄ましてりんご飴をかじる妹を忌ま忌ましく思いながらも、致し方なく、この件は不問にする事とした。

そして、ステージに向かう人の波に逆らいながら、緑色の大きなごみ箱に到達すると、手に持っていた物を投げ入れ、戻ろうとしたその時だった。

背後から

『リボンのお嬢さん』と。
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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