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4章:〜闇の道化〜 (3/7)

その白い点、今この世界に存在するのはたったそれだけ。近づけるのかどうか、それも判らなかったが、意識はそこに集中する。

すると、僅かずつではあるが、その白い点も、こちらに近づいて来ているかの様に思えてきた。いや、もしかすると、それは単なる勘違いで、私が勝手に近づいてるに過ぎないのかも知れないが、確かに、大きくなって来た。

出口なのだろうか?
ならば、その先にには何がある?

とその時だった。

〔リボンのお嬢さん〕

すぐ真後ろで、知った声と言葉が聞こえた。私がビックリして振り返ると、そこには一人の道化師が、燻し銀の鋭い刃の二本の短剣で、華麗なジャグリングを披露してる。

この人一体……

道化師は、機械的に手を動かし、顎を上げ、クルクルと宙を舞うその刃先を見つめていたが、やがてその顎を引き、手は動かしたまま、私を真っ直ぐに見つめ無表情のまま言った。

〔リボンのお嬢さん、貴女の事ですよ〕

あ!そうだ、あの占い師!

心の中でそう叫ぶ。

しかし、道化の彼にはあの占い師の様な、柔和な笑顔のカケラも無く、寧ろ、私に恨みでも有るかの様な、鋭い眼差しを向けている。

この眼差し、知ってる!

そう、それはあの占い師との別れ際に、ほんの一瞬だけ彼が見せた、あの眼差しだった。

〔アイツではないんですよ。でも、お嬢さんとお会いするのは、これで二度目になりますな〕

そう言うと、また、顎を上げ、宙を舞う刃先にを見上げてる。

〔不公平だと思いませんか……奴だけは何時も明るい所にいるんですよ〕

何を言ってるんだろう。

〔同じ場所に居るんですがね、その出入り口は、一人だけしか通れんのですよ〕

?????

〔私はこんな暗がりで、もう永遠と、こんな事ばかりやっている………本来、短剣は宙を泳ぐ物では無いはずなんですがね〕

ジャグリングを続けながら、道化師は一歩ずつこちらに近づいて来る。私は怖くなって、道化師が近づいた分だけ後ずさっていた。

〔大丈夫、もう随分長い、永遠の時をずっと、こうして続けているのですから。決して間違って、貴女に危害を加える様な事はありませんよ、こうして短剣が踊り続ける限りはね〕

そうじゃない、短剣が怖いのではない。

〔どうしたんです?この短剣、そんなに怖いですか?〕

え?………

この道化になったあの男には、私の心が読めてない?
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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