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3章:〜占い師〜 (5/6)

勿論、面白くないのはザムとトッシュ。しかし、キラがカッコイイのは周知の事実。

『あの、ファン投票、キラさんのバンドに入れたんです!』

もう女の子達は興奮しまくりだった。

『はい、お待ちの三名さん、こっちのカウンターね』

そこに、動きっぱなしのせいか、少し息を切らせた、小肥りの中年女性が声を掛ける。だが、その三人はキラばかりを気にして、なかなか離れ様としなかったのだが

『えっと五名さんね、じゃ、あっちの奥の座敷を片付けるから、どうぞ』

そう私達にも声を掛けて来たので、渋々とカウンターに行った。

『ここんちな、ラーメンも旨いが、炒飯も旨いんだ』

トッシュがそう解説する。

『そっか、じゃ、俺は餃子付き炒飯セットにする!とにかく腹減った』

ザムがそう言うと、キラもトッシュも同じ物にし、私達は炒飯と餃子は半分こにする事にして、トッシュ達と同じモノとラーメンを頼んだ。

『今日メッチャ感動したぁ!』

お冷やを注ぎながら私が言うと

『まさか、ドラムとベースが入るなんて思わなかった』

とキラが言った。

『どうせ私は役立たず!』

とミュウは拗ねる。

『いやな、良くキラがカラオケで歌ってるから、俺ら耳に憑ちゃってるんだよ』

とトッシュが言った。

なるほど、それであれだけ歌い熟せたのか。

なるほど。

『しかし、俺、一か八かだったよ、だってもしりぃが知らなかったらって思ってさ』

『ちょっと焦ったけど、綺麗な曲だから、バイト先で良くリクエストが入るの。それはそうと、今日フロッピーが使え無かったのが痛かった〜』

思わず本音を吐露。

『次は用意してくれるよきっと!』

と、ミュウに言われたのたが、実は私、もうこれで辞めるつもりで居た。しかし、今はそれを言う空気でも無さそうだったので、敢えて黙って居る事に。

やがて料理が運ばれて来た。

『ヨッシャ、とにかく喰うぞ!』

ザムはさっそくラーメンを啜り始めた。三人共、暫くは無言で食べて居たが、やがてミュウが言った。

『それにしても、あの占い師って何時からいたの?って言うか、なんでりぃあそこにいたのよ?』

そう、私は何故あそこに居たんだっけ。

その時、一瞬だけど、呼び止められた瞬間の記憶が、飛んでしまったかの様な錯覚に陥った。

『あの人に喚ばれたの、リボンのお嬢さんって』
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鏡からの使者 ©著者:Jude(ユダ)

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