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9章:〜門田神社〜 (6/6)

 それから、透は時々現れる様になった。狐も来る様になった。昼間でも夜でも、俺の中にある鳥居の中に逃げ込んできた。

何時くるのか、それは判らなかったけど、でも、透と過ごしたこの部屋に居ると、狐が鳥居を潜る映像が、目の前に現れる。
透が何処かで戦ってるんだ、だから、俺は此処に居て、狐達を迎える事にした。

 やがて、純は卒業した。結局、純は専門学校に通いながら、家の仕事を覚える道を選んだ。

高校を卒業してから、純は忙しくなっちゃって、休日しか来なくなった。高校時代は学校も違ったせいで疎遠になってた、純の幼なじみの高橋耕太郎も一緒に来る様になった。

透の葬儀にも参列してくれたみたいだったけど、あの時の記憶は今だに蘇らない。

それでも彼は、以前と全く変わらず、三人で話してると、俺の隣に透が居て、4人で話してる感覚になる。

耕太郎は、俺よりも4歳年上だったけど、絶対に年上ぶったりしない。俺達が中学生の時でさえ、いつも対等だった。耕太郎とは、純の所でたまたま会うってだけだったけど、時々、純と一緒に富田にも来た。

一つだけ、耕太郎には絶対の特技があった。それは、一度も透と俺を間違えなかった事。純でさえ、たま〜に間違えてたのに、耕太郎は絶対に間違えなかった。

彼は最近バンドを始めたらしく、純と一緒に訪ねて来ては、バンドの話しばかりする。俺にもやらないか、と良く誘うけど、俺、この部屋離れられないから。

そのバンド仲間に彼は、ミグって呼ばれてるとか。本人それが気に入ってるみたいで、純にも俺にもそう呼ぶ様に言うんだ。

俺が時々《耕ちゃん》って言うと、もうその呼び方は止めてくれって。

ミグと純は、毎週一度は来る様になった。最近ミグは、新しい車を買うって言ってる。お給料が少しだけ上がったからって。

二人が来てくれるから、透が現れない時でも、俺は孤独にならなかった。ミグは相変わらず面白い。

でも、こうして二人と過ごしてる時間でさえ、ふと目の前に鳥居が現れて、狐が逃げ込むのを見る事があるんだ。

そして、最近時々、俺の中に狐じゃなく全く違う人間が入って来る様になった。

純には俺達みたいに霊感があるから、時々純も狐を見る事があったけど、その全く違う人については判らないらしい。だから、一度話したけど、今はもう話して無い。上手く説明出来ないし。

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君の星・回想録 ©著者:Jude(ユダ)

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