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6章:〜後悔と無縁仏〜
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夜、ご飯が済むと、俺達はまた、直ぐに部屋に戻った。
テレビも観ないで部屋に行った俺達は、早速宮下先生の書いてくれたリポート用紙と、あの短冊を部屋の真ん中に在る、硝子テーブルの上に並べた。
そして、名前が羅列された紙をお互いに手にして、黙ってそれを見てると、トントン、と部屋をノックされた。
俺も純も焦ってその短冊を畳み、リポート用紙を纏めると、透は短冊を、俺はリポート用紙をそれぞれの机に持って行き、引き出しに入れた。
『入るぞ……』
父さんだった。
目の前のブックエンドから、適当な参考書を取り出して広げる。
『なんだ、二人供勉強中だったのか。最近テレビも観ないんだな』
どうやら、俺達の様子を変だと思い始めてるらしい。
『宿題が多くて、それにそろそろテストだし』
『うん、俺も……』
すると、父さんは満足げに
『そうか、そうか、じゃ、邪魔したな。あまり根を詰めるんじゃないぞ。朝に響かん様にな』
そう言って出て行った。
父さんが階段を下りたのを確認すると、俺達はまた、引き出しから例のモノを取り出して、硝子テーブルに置いた。
『焦ったな』『うん、焦った』
俺が手にしたリポート用紙には、女の人の名前が沢山書いてあった。
そして、そのリポート用紙の欄外には、宮下先生の言葉で
※言葉が難しいので、わかり易く書き直してあります。
と書いてあった。それは、名前の書いてある全部のリポート用紙に書かれてた。
本当はそのままの言葉が知りたかったけど、もし、知ってもきっと意味解らなくて、先生達に聞きに行く事になっちゃうんだろうな。
そう思って、リポート用紙に目を通す。
透も俺も、リポート用紙を眺めながら、言葉が出なかった。
そこには何度も【座敷牢】とあって【狐憑きにより座敷牢】とあった。
狐憑きって何だろう。
その時、夢に出て来た祖母ちゃんの言葉を思い出した。
『祖母ちゃんが言ってたよね?』
透が手にしていたリポート用紙を置いて言った。
『うん、狐って言ってたよね』
俺と透はどちらからとも無く、自分達の机の引き出しから、あの狐を取り出すと、硝子テーブルに並べて置いた。
『狐憑きって何だろう?』
『明日、先生に聞かなくちゃ』
そして、俺達は意味も解せないその短冊を見つめてた。
これ、誰が書いたのかな。
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君の星・回想録 ©著者:Jude(ユダ)
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