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5章:〜純、大いに嘆く〜
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宮下先生にアレを預けて、一週間経ったその日、純と透と俺は放課後図書室に来る様に言われた。
いよいよ解ったみたい。三時間目の古文の授業の後、そう言われた。
ずっと待ってたのに、何だか聞くのが怖い様な、不思議な気持ちだった。
放課後、図書室に行った。共通一次迄あと僅かなせいか、シーンとした図書室にはひたすらペンを走らせる姿が結構在った。
『あ、お疲れ〜みんな資料室に居るよ』
俺に気付いた佐藤先生が言った。そして、当番のカウンターの中の生徒に
『じゃ、資料室に居るから、何かあったら喚んで』
そう言うと、俺と一緒に資料室へ。資料室にはもう、純と透と宮下先生迄居た。
『どうした、遅かったな』
そう、今日はたまたま掃除が教室だったから。
『すいません、遅くなりました』
そう言うと、先生に掛けなさいと言われて、佐藤先生が入り口の扉を閉めた。
『じゃ、みんな揃ったから話しを始めようか』
宮下先生はそう言って、短冊を俺達の方を向けて広げた。
そして、その隣に、数枚のリポート用紙を置いた。先生の文字は本当に綺麗だった。
『これが、この短冊に書いてある事なの』
そう宮下先生が言うと
『佐久間君も必要なら、後でコピー取るよ』
と佐藤先生が付け加える。
『あ、じゃ、お願いします』
純がそう言った。
『じゃ、まず一番気にしてた冒頭の文章なんだけど、それがこれね』
宮下先生が、俺達の真ん中に座ってる純の前に、一枚のリポート用紙を置いた。そこにはこう書いてあった。
《この書は、汚れ故に排除された者の記録であり、決して転生無きよう、永久に葬られた証として、此処に記す》
三人は一斉に宮下先生を見た。それから、隣の佐藤先生も。
要するに、意味が解ら無かったから。
多分、純は解ってたかも知れないけど、俺は理解出来なかったし、だからきっと透も同じ。
俺達、あの父さんと母さんに良く言われてた。
人間は、死んでしまったら【無】になるだけだって。生まれ変わりなんてある訳無いって。
でも、和尚さんの前では違ってた。和尚さんが、生まれ変わってどうのこうのって言ったら、父さんも母さんも、納得してた様だったけど、でも、本当にヒトって生まれ変わるのかどうか、良く解らない。
多分、透だって、普段そんな事考えて無い。そんな話し出ないし。
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君の星・回想録 ©著者:Jude(ユダ)
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