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5章:〜純、大いに嘆く〜
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純は、黙り込んだ両側の俺達に言った。
『な、お前ら何か勘違いしてね?』
ん?やっぱり何か勘違いしてるのかな?
すると、宮下先生が急に明るい声で
『あ、説明の仕方が悪かったかなぁ?』
と言うと佐藤先生も
『祖父の言った事はあくまでも祖父の想像だし……ね、宮下先生?』
そう宮下先生に振る。と、宮下先生も
『え?ええ、そうそう、佐藤先生のお祖父様にはそれなりのご経験があってそうおっしゃるのかも知れないけど、でも、ご自分で直に確かめられたって訳じゃないし……ネ』
と佐藤先生に返す。
そのやり取りを見てた純がとんでもない事を言ったんだ。
『あ、大丈夫っす。
この馬鹿二人には、後で俺からちゃんと説明しますから。気にしないで下さい、どうせ馬鹿ですから、直ぐに忘れますから』
いちいち馬鹿馬鹿って言うな!
俺と透は両サイドから一斉に純を睨んだが、純は涼しい顔をしてた。
『じゃ、取り敢えずコピーして来るね』
佐藤先生が立ち上がった。
純が目の前のリポート用紙を揃えて『お願いします』と言って佐藤先生に渡す。
佐藤先生がそれを預かって部屋を出ると、宮下先生が言った。
『解らない言葉があったら、佐藤先生か私に聞きに来て』
それで、透と俺は同時に言ったんだけど………
『【遊郭】×【売春婦】
って何ですか?』
そしたらまた、二人同時に純に頭を叩かれた。しかもこの前よりも痛かった。
『痛ぇ……なんだよ純』
『そうだよ、先生が解らない言葉があったら聞きなさいって』
『黙れ!何処にそんな言葉があったんだ?先生が言ってるのはな、この短冊に書いてある事を言ってるんだ』
『だから、昨日いっぱい調べたの!』
『うん、いっぱい調べた』
『お前ら何を調べた?』
『これの表書きの』と透。
『そう表書きの』 と俺。
『だから、表書きの何の事だ?』
『遊女!』
今度は同じ言葉だった。
すると、宮下先生が遊女について話してくれた。やっぱり、透も俺も的外れじゃなかった。
でも……
『あんな、そりゃ商売女の事だ。男に体売ってだな』
『体って?何処を売るの?』
と俺が言うと
『切り刻むのか?』
と透が言った。
俺達にはそんな認識しか無かったし、売春やら遊郭やらの理解も、実は出来てなかったんだ。
だから【売る】って言葉とイコールにならなかった。
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君の星・回想録 ©著者:Jude(ユダ)
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