ホスト,キャバ,風俗等のちょっと大人の無料ケータイ小説!PC,スマホ、ガラケー全対応!

4章:〜俺達の血〜 (2/9)

 翌朝、目茶苦茶眠くて、どうしても体が言う事を聞かなかった。でも、今日はどうしても学校に行かなくちゃ。

透が、昨日のあのお札の様な物を、紙に包んで鞄に入れた。制服に着替えて下に下りる。


洗顔を済ませ祖母ちゃんの仏壇に手を合わせる。祖母ちゃん、夕べ夢に出て来るかと思ったけど、出て来なかった。

仏壇の傍の壁には、祖母ちゃんの遺影がある。それをチラッと見ると、心なしか祖母ちゃんが笑ってる様にも見えた。

キッチンに行くと、テーブルには弁当箱が有った。

『あれ?母さん今日仕事休み?』

そう聞くと、有給休暇を取ったとか。

『今日、庭師さんが来るの。昨日富田から運んで貰った物を、庭に植えて貰うのよ。

だから、お茶出ししなくちゃいけないから』


そうだ。

『母さん紫陽花……』

俺がつい言いかけたら、透に背中を小突かれた。そうだったっけ、昨日の事は内緒だったっけ。

『紫陽花?紫陽花がどうかしたの?』

どうやら母さんは何も気づいて無かった。

自転車に乗って家から少し離れると透に叱られた。

『バッカだなぁ……職人さん迄口止めした意味ないじゃん…』

『そうだった………悪い』


信号の所で純と合流した。

『純、昨日大丈夫だった?』

と聞いたが、叔母さんには叱られたらしいけど、叔父さんは何も言わなかったって。

『あれ持って来たか?』

純も気になるらしい。

『うん、持って来た』

透が答える。

『ただ、俺は今日補習が有るんだ。だから、後で話しを聞かせてくれ』

本当は純が一緒の方が良かったけど、二人で話しを聞く事になった。

その日は一日上の空。

唯一印象に残ったのは、弁当に入ってた母さんの唐揚げを、隣の席の工藤に取られた事くらい。

工藤は何時もパンかおにぎりだった。工藤の家は豆腐屋だったから、朝は戦争だって言ってたっけ。

5時間目は、あの宮下先生の古文だった。たまたま先生が早く教室に来たから話してみた。

『多分、草書体かしらね。わかった、放課後図書室に来て』

アッサリとそう言って引き受けてくれた。それにしても、あんなの読めるなんて凄い。

古文の後は、選択科目の音楽だったから、透と一緒だった。透にその事を話してたら、少しだけ先生に注意されたんだけど、先生は、俺と透を間違った。

挙げ句、共同責任だって。
28 /77

※この小説を友だちに教える⇒メール

いいね LINEで送る

君の星・回想録 ©著者:Jude(ユダ)

夜のケータイ小説サイト「ホスラブ小説」
PC,スマホ、ガラケーで全ての機能が利用できます!

Copyright © hostlove.com All Rights Reserved.