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4章:〜俺達の血〜
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翌朝、目茶苦茶眠くて、どうしても体が言う事を聞かなかった。でも、今日はどうしても学校に行かなくちゃ。
透が、昨日のあのお札の様な物を、紙に包んで鞄に入れた。制服に着替えて下に下りる。
洗顔を済ませ祖母ちゃんの仏壇に手を合わせる。祖母ちゃん、夕べ夢に出て来るかと思ったけど、出て来なかった。
仏壇の傍の壁には、祖母ちゃんの遺影がある。それをチラッと見ると、心なしか祖母ちゃんが笑ってる様にも見えた。
キッチンに行くと、テーブルには弁当箱が有った。
『あれ?母さん今日仕事休み?』
そう聞くと、有給休暇を取ったとか。
『今日、庭師さんが来るの。昨日富田から運んで貰った物を、庭に植えて貰うのよ。
だから、お茶出ししなくちゃいけないから』
そうだ。
『母さん紫陽花……』
俺がつい言いかけたら、透に背中を小突かれた。そうだったっけ、昨日の事は内緒だったっけ。
『紫陽花?紫陽花がどうかしたの?』
どうやら母さんは何も気づいて無かった。
自転車に乗って家から少し離れると透に叱られた。
『バッカだなぁ……職人さん迄口止めした意味ないじゃん…』
『そうだった………悪い』
信号の所で純と合流した。
『純、昨日大丈夫だった?』
と聞いたが、叔母さんには叱られたらしいけど、叔父さんは何も言わなかったって。
『あれ持って来たか?』
純も気になるらしい。
『うん、持って来た』
透が答える。
『ただ、俺は今日補習が有るんだ。だから、後で話しを聞かせてくれ』
本当は純が一緒の方が良かったけど、二人で話しを聞く事になった。
その日は一日上の空。
唯一印象に残ったのは、弁当に入ってた母さんの唐揚げを、隣の席の工藤に取られた事くらい。
工藤は何時もパンかおにぎりだった。工藤の家は豆腐屋だったから、朝は戦争だって言ってたっけ。
5時間目は、あの宮下先生の古文だった。たまたま先生が早く教室に来たから話してみた。
『多分、草書体かしらね。わかった、放課後図書室に来て』
アッサリとそう言って引き受けてくれた。それにしても、あんなの読めるなんて凄い。
古文の後は、選択科目の音楽だったから、透と一緒だった。透にその事を話してたら、少しだけ先生に注意されたんだけど、先生は、俺と透を間違った。
挙げ句、共同責任だって。
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君の星・回想録 ©著者:Jude(ユダ)
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