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3章:〜狐と仏壇〜
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祖母ちゃんが居なくなって、祖母ちゃんの居た部屋には、祖母ちゃんの祭壇が飾られた。
朝、透と二人で祖母ちゃんに手を合わせ、同じ部屋に有る仏壇にも手を合わせる。祖母ちゃんは、まだ仏壇に居ないんだって、そう父さんに聞いた。
学校に持ってく弁当は、週に二回だけになった。
母さんが休みの時だけ。祖母ちゃんの弁当、野菜ばっかり多くて、茶色くて、綺麗じゃなかったけど、また食べたい。
祖母ちゃんは家の事は何でもして、時間が有ると鍋で何かを煮てた。だから、学校から帰るといつも良い匂いがしたのに、もう何の匂いもしなくなった。
透と俺は、学校から帰ると交代で、風呂掃除をして風呂を沸かすか、お米を研いでご飯を炊くか、をする事になった。
今迄全部祖母ちゃんがしてくれてた事。
母さんは夜洗濯機を掛けて、朝干してる。
そう言えば、お風呂の鏡ってこんなに汚れてたっけ?
ご飯のおかずは母さんが作るけど、近くの大きな店で買ってくる事も多かった。
この前も野菜の煮たのを買って来てたけど、祖母ちゃんの煮た野菜の方が全然美味しい。
そう言えば祖母ちゃんに、あの仏壇の事言ってなかったけど、きっともう知ってるんだろうな。
富田の家は、祖母ちゃんの事が落ち着く迄、工事は保留になった。せめてもう一度行きたいと思ってたけど、俺も透もどちらからもその話しはしなかった。
怖かったんだ。
富田の家に祖母ちゃんが居る様な気がして。
でも、もし今遭ったりしたらきっと、悲しくて悲しくて、仕方無くなっちゃう気がして。
きっと透も同じ気持ちなんだ。だから、透も言わない。
母さんは暫く仕事を休んだ。
家には祖母ちゃんにお線香を上げる為に、時々お客が来た。
俺の町には変わった習慣があって、香典が二種類分かれる。
【新生活運動】と言って、無駄を省く為に、千円位を包んでくれる人と、そうじゃない人。
だから、お返しも二種類あった。
祖母ちゃんは決して義理を欠かさない人だった。
何か一つ貰うと二つ返す人だった。一度聞いたんだ。
〔どうして二つ返すの?〕って。
そしたら、祖母ちゃんこう言ってた。
〔一つは貰った物に対してのお返し。もう一つは、その人の気持ちに対してのお返し〕って。
俺達は、祖母ちゃんから色々な事を教えて貰った。でもその時は聞き流してたかも。皮肉だね、今思い出す。
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君の星・回想録 ©著者:Jude(ユダ)
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